セルフエスティーム(健全な自尊心)とは

 セルフエスティームは,近年注目されているレジリエンシー(精神的回復力)の 中心的要素の一つであり,私たちが逆境に直面した時に立ち直る力を与えてくれるものと考えられています。

 セルフエスティームとは「自分自身が人生の挑戦に立ち向かう力があり,幸せになる価値がある人間であると実感する傾向」であると定義され,前者を自己有能感,後者を自己尊重感と呼んでいます(ナサニエル・ブランデンによる)。

 

臨床心理学者であるナサニエル・ブランデンは,その豊富な臨床経験に基づいて,セルフエスティームは自己尊重感と自己有能感の2つの柱からなると主張しています。

 

●セルフエスティームの2つの柱

・自己尊重感
 

成功し幸せになる価値があると感じる。したがって自分自身を,達成,成功,尊敬,友情,愛などにふさわしい人間として知覚する。

・自己有能感
 

基本的に人生の挑戦に立ち向かう力があると感じる。したがって自分の知性とそのプロセスを信頼する。 また,学校におけるセルフエスティーム教育に関する実践者グループの間では,個性の感覚,有能性の感覚,絆の感覚を育てることが重要であるという考え方も広く支持されています。

 

●セルフエスティームを構成する3つの要素

・個性の感覚
 

自分には自分らしい特質がある。

・有能性の感覚
 

自分にはなすべきことをなす能力があり,能力を効果的に発揮する資源があり,自分を取り巻く環境に影響を与える機会がある。

・絆の感覚
 

自分にとって重要な人,場所,物との関係に満足している。

 

子どもたちのセルフエスティームを高めていきましょう!

 

<参考文献>
JKYB研究会(代表:川畑徹朗)編著:心の能力を育てるJKYBライフスキル教育プログラム中学生用 レベル1.東山書房,2005. 川畑徹朗:子どもの社会的健康を促進するライフスキル教育.保健の科学 第57巻 第10号,2015.

 

 

レジリエンシー(精神的回復力)とは・・・